子供の頃の虫取りにしても、大人になってからの鳥撃ちにしても山に入ると市街地にいる時よりも耳から入る情報に頼らなければならない状況がかなりの%上がります。

町中にいるときはほぼ目で見た情報を頼りに生活しているのに対して山に入ったときは山歩きをしていてもかなり耳を使っています。

虫の鳴き声、鳥の鳴き声でどこに何がいるのか目で見るよりも早く音で探すことができますし、さらに山深く入ったときは四つ足の動物の生活音も聞くことができる事もあります。

そのくらい町中の喧騒を離れた山の中は、静寂の中に純粋な自然の音だけが満ち溢れその音から何かを探ったり推察する行為自体が私にとっては興味深いものであります。

しかし、先日ヒヨドリを山に撃ちに行ってきた時のことです。

ずいぶん暖かくなり、もうすぐ渡りを始める前のこの時期、いつものようにヒヨドリの鳴き声を頼りに山の中を歩き回りいい場所を探し当てたのですが…

いつもより明らかにかなり鳴きが弱い。たくさんの鳴き声がしていた場所に入ったはずなのにいつものように鳴かないのです。

これはあまり数が少ない場所に来てしまったのかなと思い、えさ場としているミカン畑のほうに降りていくと物凄い数のヒヨドリが一斉に飛び出してきました。

明らかに潜んでいたようでした。

猟期序盤ではあんなに鳴いていたヒヨドリたちも狙われることを知り学習し必要最低限しか鳴かなくなったのかこれはこれで面白い経験でした。

鳥に関してもカラスの賢さ、鴨の銃の射程距離の取り方など、これまでも野生動物の学習の素晴らしさには感嘆させられるものがありましたが、あんなに小さなヒヨドリたちも学習しこの時期はあまり鳴かなくなっているのだと思うと新しい発見があり自然とのやり取りの奥深さを感じさせられたのでした。

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